良かれと思って、商品やサービスを次々に増やしてきた。
なのに、どれも中途半端で、ぜんぜん売れない。
そんなモヤモヤを抱えていませんか?
多くの人が「商品が多いほど、どれかが刺さって選ばれやすい」と思っています。でも実は、その逆です。商品が多いほど、お客さんは選べなくなって、何も買わずに帰っていきます。
この記事では、まず「商品が多い=売れる」という直感がなぜ間違いなのか、という種明かしから始めます。そのうえで、増やした商品を絞って並べ直すだけで動き出す、整理のやり方までお渡しします。
むしろ多すぎて、次の3つが起きています。
① お客さんが選べず離れる
② 専門性が薄まり「何屋か」が伝わらない
③ 発信や導線が割れて、全部が弱る
直し方は「もっと増やす」ではなく「3層に並べ直す」。
・看板商品(一番見せる主力)を1つ決める
・踏み台商品(入りやすい入口)を置く
・出口商品(深く頼みたい人向けの高単価)を1つ用意する
増やさず、主役を1つ決める。これだけで動き始めます。
✓ 「商品が多いほど選ばれる」がなぜ間違いなのか
✓ 商品が多いと売れない「3つの理由」の正体
✓ 増やさず絞る「商品の3層整理」のやり方
✓ 明日、どこから1つだけ手をつければいいか
「商品が多いほど選ばれる」は、よくある勘違い
2つの定食屋を想像してください。
1つめの店は、メニューが100種類あります。和洋中なんでもある。一見、便利そうですよね。
でも、いざ席につくと、何を頼めばいいか分からない。迷っているうちに「やっぱり今度でいいや」と店を出てしまう。
2つめの店は、看板メニューが「特製カツ丼」1つだけ。でも、いつも行列ができています。
どちらが繁盛しますか??
たぶん2つめですよね。お客さんは、選ぶのに疲れると、買うのをやめてしまうんです。
これ、実は有名な実験でも確かめられています。試食コーナーにジャムを並べたとき、24種類より6種類のほうが、よく売れたという結果です。
具体的には、6種類のときは試食した人の約30%が買いました。
でも24種類のときは、わずか3%しか買いませんでした。
これはアイエンガー&レッパーのジャム実験(2000年)の解説で紹介されている結果です。
選択肢が多いと、立ち止まる人は増えます。でも、買う人は逆に減るんです。あなたの商品ラインも、同じことが起きているかもしれません。
下の図で、「商品を増やす」と「3層に絞る」のちがいを見てみましょう。

右側の「絞る」は、品ぞろえを減らして貧しくする話ではありません。主役を1つ決めて、お客さんが迷わない並びにするだけです。次の章で、まず売れない理由=3つの中身から分解します。
商品が多いと売れない「3つの理由」
「商品が多いほど選ばれる」が逆だとして、では具体的に何が起きているのか。店のたとえに置き換えながら、3つに分けて見ていきましょう。
理由①:お客さんが選べず離れる
1つめは「どれを選べばいいか分からない」問題です。
商品が10個も20個も並んでいると、お客さんはどれが自分向けか判断できません。さっきのジャムと同じで、迷っているうちに離れていきます。
メニュー100種類の店で、結局何も頼まずに出てしまう。あれと同じことが、あなたの商品ページでも起きています。
理由②:専門性が薄まり「何屋か」が伝わらない
2つめは「結局、何の専門家なの?」問題です。
あれもこれも扱っていると、お客さんから見て「この人は何屋なんだろう」が分からなくなります。
お客さんが頼みたいのは「なんでも屋さん」ではなく「これならこの人」という専門家です。扱う数を増やすほど、一つひとつの専門性は薄まって見えます。何でもできる、は何も得意でない、と受け取られがちなんです。
理由③:発信や導線が割れて、全部が弱る
3つめは「どれも宣伝しきれない」問題です。
商品が多いと、発信もバラバラになります。今日はA商品、明日はB商品、次はC商品。一つひとつにかけられる手間が薄く割れて、結局どれも弱い宣伝で終わります。
ここで効いてくるのが、ビジネスで言う「生み出す力」です。新しい商品を生み出す力は大事ですが、それは「数を増やす」ことではありません。一つの主力を深く磨いて、お客さんに届くまで育てきる力のことです。
この3つの理由を1枚にまとめたのが下の図です。商品が多いと、お客さんの頭の中ではこの順番でふるいにかけられて、静かに離れていきます。

逆に言えば、この3つは「絞る」だけで一気に解けます。実際、個人で活動する人ほど、ここを整理すると変化が早いです。
少しデータを見てみましょう。フリーランス人口は2024年で約1,303万人にのぼり、経済規模は20兆円を超えます。一方で、年収99万円以下の人が約7割を占めます(ランサーズ「フリーランス実態調査 2024年」)。
多くの個人が、商品の収益化でつまずいている様子がうかがえます。数を増やすより、絞って深める。そっちのほうが、結果につながりやすいんです。
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増やさず絞る「商品の3層整理」
「絞れと言われても、せっかく作った商品を捨てるのはこわい」。そう感じるかもしれません。
でも、絞るのは捨てることではありません。役割を分けて、並べ直すことです。やることは、3つの層に整理するだけです。

看板商品:一番見せる主力を1つだけ
まず、一番見せたい主力を1つだけ選びます。これが看板商品です。
定食屋でいう「特製カツ丼」。お店の顔になる、一番自信のある商品です。発信も、ここを中心にまとめます。あれもこれも見せるのをやめて、まずこの1つに光を当てます。
✓ 一番自信がある、または一番お客さんに喜ばれた商品を選ぶ
✓ 「これならこの人」と覚えてもらえる1つにする
✓ 迷ったら、利益が出やすくリピートされる商品を主役にする
看板を1つ決めると、お客さんから見て「何屋か」がはっきりします。理由②の「専門性が薄まる」問題は、これで解けます。
踏み台商品:入りやすい入口を置く
次に、初めての人が手を出しやすい小さな入口を用意します。これが踏み台商品です。
無料の資料、安いお試し、ワンコインの相談など。いきなり高い看板商品を売り込むのではなく、まず軽い一歩を踏んでもらう。最初のハードルをぐっと下げるのが役目です。
初めてのお客さんは、いきなり大きな決断をしません。だからこそ、軽い入口が要ります。理由①の「選べず離れる」問題は、迷わず入れる入口があれば、ずいぶん減ります。
出口商品:深く頼みたい人向けの高単価を1つ
最後に、もっと深く頼みたい人向けの高単価な商品を1つ用意します。これが出口商品です。
看板商品を気に入ってくれた人の中には、「もっとしっかりお願いしたい」という人が必ず出ます。その人の受け皿です。これがないと、せっかくのファンを取りこぼします。
看板・踏み台・出口。この3つに並べ直すと、お客さんは入口から出口まで迷わず進めます。3つの層にした商品を、無料から高単価へ順番につなぐ流れは、無料→高単価の階段を3段で組む方法でくわしく扱っています。並べ直したあと、階段としてつなぐとさらに効きます。
「とりあえず全部残す」が、一番もったいない
「でも、どれかが当たるかもしれないし、全部残しておこう」。そう考える人は多いです。でも、これが落とし穴です。
商品を残すほど、看板がぼやけます。お客さんの目線も、宣伝の手間も、薄く割れていく。残す=守る、ではなく、残す=全部を弱らせるになりがちなんです。
3層(看板・踏み台・出口)に入らない商品は、いったん表から下げてかまいません。消す必要はありません。あとで主役の隣に足すこともできます。まず、見せる商品を絞るだけでいいんです。
もし「これは下げるべきか、直すべきか」で迷ったら、まず手を入れてみる手もあります。売れていない商品の立て直し方は、売れない商品を直す手順で整理しました。
ここで1つ種明かしを。商品を増やすのは、実は楽なんです。新しいものを作っているあいだは「前に進んでいる気」になれますから。でも、本当にしんどいのは「1つに絞って、それを売れるまで磨ききる」ほう。多くの人が増やし続けるのは、絞る勇気から逃げているだけ、ということもあります。
まず明日、どこから手をつけるか
ここまで読んで「やることが多い」と感じたかもしれません。でも、安心してください。
一気に全部やる必要はありません。まずは、一番自信のある商品を1つ選んで「これが看板です」と決める。これだけで、何を発信すればいいかが見えてきます。
✓ 1日目:一番自信のある商品を1つ選び、看板に決める
✓ 2日目:初めての人向けの軽い入口(踏み台)を1つ置く
✓ 3日目:深く頼みたい人向けの高単価(出口)を1つ用意する
残りの商品は、いったん表から下げてOK。看板・踏み台・出口の3つがそろえば、お客さんは迷わず進めます。お客さんに本当に届く看板商品の選び方は、売れる商品の作り方もあわせて読むと、主役選びがぶれにくくなります。
そして、これは中小企業の世界でも言われていることです。
小規模事業者は、顧客ターゲットを明確にすると売上の増加につながると分析されています。
これは中小企業庁「2024年版 中小企業白書・小規模企業白書 概要」の内容です。誰に・何を売るかを絞ることは、個人でも会社でも、売上を動かす王道なんです。
大事なのは、商品は「増やして勝つ」ゲームではなく、「絞って主役を決めて勝つ」ゲームだということ。並べ直す勇気を持てた人から、お客さんに選ばれていきます。
この記事を書いた人 錬金王|ソロモンワールド創始者/資本主義ゲーム『攻略』探求家
複数事業の立ち上げと売却、アフィリエイトやコンテンツ販売などを経て、「副業・ひとり事業が続かない・伸びないのは努力ではなく設計の問題」と考えています。
いまは会社員・フリーランス・主婦・小規模事業者へ、AIエージェントで仕組み化する「挫折しないストック型収入」の作り方を発信中。
よくある質問
Q. 商品を絞ると、売れるチャンスも減りませんか?
A. 一見そう感じますが、逆になることが多いです。選択肢が多いと、お客さんは選べずに離れます。主役を1つに絞ると迷いが消えて、かえって買われやすくなります。ジャムの実験でも、6種類のほうが24種類より売れました。
Q. 看板商品は、どれを選べばいいですか?
A. 一番自信があるか、一番お客さんに喜ばれた商品を選びます。迷ったら、利益が出やすくリピートされる商品を主役にしましょう。「これならこの人」と覚えてもらえる1つに決めるのがコツです。
Q. 売れていない商品は、消したほうがいいですか?
A. 消す必要はありません。3層(看板・踏み台・出口)に入らない商品は、いったん表から下げるだけでOKです。あとで主役の隣に足すこともできます。まず、見せる商品を絞るのが先です。
Q. 踏み台商品は、無料じゃないとダメですか?
A. 無料でなくても大丈夫です。安いお試しやワンコインの相談でも、初めての人が手を出しやすければ役目を果たします。大事なのは、最初の一歩のハードルをできるだけ低くすることです。
Q. 商品が今1つしかないのですが、それでも整理は必要ですか?
A. はい、むしろチャンスです。その1つを看板に据えて、入りやすい踏み台と、深く頼める出口を1つずつ足すだけで、3層がそろいます。増やすより先に、この並びを作るのがおすすめです。


