フランス出身で、スイスのチューリッヒでコンサルタントとして働いていたSushee Nzeutem(スシー・ンゼウテム)さんは、顔を出さない「商品紹介」のYouTubeチャンネルを、海外のチームに仕事をお願いして運営しています。
買ったチャンネルは約3年で登録者が約1.6万人から約12.2万人になり、利益は「10倍以上」になったと本人は話しています。
出典:Passionfroot「Creators on Air」S2 E5:How to Build An Automated YouTube Business Without Showing Your Face with Sushee Nzeutem(公開日 2023-01-04/確認日 2026-10-28)
この記事では、どんなチャンネルで何からお金を得ているのか、どうやって見る人を集めて続けているのか、そして2025年に変わったYouTubeのルール(規約)で、このやり方のどこに気をつけるかが分かります。最後に、日本でやる場合の条件もまとめました。
注記:この記事の数字は本人が話したことです(2023年1月4日公開のポッドキャストでの発言)。第三者が確かめた数字ではありません。
この事例が実在することの確認
- 元のページ:Passionfroot「Creators on Air」S2 E5「How to Build An Automated YouTube Business Without Showing Your Face with Sushee Nzeutem」(ポッドキャストのページ。番組の動画と、話を文字にしたもの(書き起こし)が載っています)
- 公開日:2023年1月4日(ページの表示)
- 研究所が確かめた日:2026年10月28日


本文の数字は、この元のページで本人が話したことです。
ひと目で分かる:この事例の要点
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| ジャンル | 商品紹介・比較レビュー(例:「おすすめのクリスマスツリー」) |
| 稼ぎ方 | アフィリエイト(商品を紹介して、買われたら紹介料がもらえるしくみ。Amazonアソシエイト・Walmart)が約50%、広告収益が約45%(本人が話したこと。残り約5%の内訳は話されていない) |
| 月の売上 | 買ったチャンネル:非公開(「利益は買ったときの10倍以上」とだけ発言)。ゼロから作ったチャンネル:月約12万円(開設から約1年半の時点) |
| 初期費用 | 非公開(チャンネルの購入金額は話されていない) |
| 最初の売上までの期間 | 非公開 |
| 週の作業時間 | 非公開。本人は「もう日々の運営には入っていない」と話し、関わりは月末の給与の支払いと週1回の打ち合わせ |
| 集客の場所 | YouTube(検索とおすすめ表示) |
| 顔出し・通話・対面 | 顔出しなし。ナレーションは本人ではなく、仕事をお願いした人(英語が母語の人)。視聴者との通話・対面はなし |
| 続けると「しくみ」になるか | お願いしたチームが回す形はできている。ただし、YouTubeとアフィリエイト先のルール(規約)が変わると、収入がそのまま大きくゆれる |
| 出典 | 本人の話(ポッドキャスト「Creators on Air」 2023年1月4日公開の書き起こし) |
この記事では、ドルの金額を1ドル=155円で円に直して書いています。
※ 書き起こしは音声を機械で文字にしたもののようで、聞き取りの間違いがあります(例:「ads(広告)」が「absence」と書かれている)。この記事では、前後の流れから意味が明らかな箇所だけを使っています。
「」で示した本人の言葉は、英語の原文を研究所が日本語にしたものです。
どう作り、どう回してきたか
1. 会社員をやめ、チャンネルを「買う」ところから始めた
本人はチューリッヒでコンサルタントとして働き、仕事の進め方をまとめる人(プロジェクトマネージャー)の国際資格(PMP)も持っています。その後、家を売り、仕事をやめてタイへ移ります。

最初の事業は、ゼロから作ったものではありません。ネット事業を売り買いするサイト「Empire Flippers」で、すでに動いているYouTubeチャンネルを買いました。本人はこれを「とても怖かった」と振り返っています。
買ったのは、商品を紹介するタイプのチャンネルです。メーカーが作った商品の宣伝動画に、ナレーションを重ねて「どれを選ぶとよいか」を比べる形でした。
2. 最初の3本は自分で作り、作業を分けた

本人は、最初の3本の動画を自分で作り、1本にどれだけの手間がかかるかを確かめました。そのうえで、作業を役割ごとに分けて人にお願いしています。番組で話された役割は次のとおりです。
- 商品を調べる人:テーマ(例:クリスマスツリー)ごとに良い商品を調べて順位をつける
- 台本を書く人:4人。入れ替わりがある
- 英語の文を直す人:ロンドン在住の、英語が母語の人。すべての台本を見る
- ナレーションの人:アメリカ英語の発音の声がほしかったため、英語が母語の人に依頼
- 編集する人:最初に雇った役割
- 投稿の担当:2人。アップロード、検索で見つけてもらうための設定、予約投稿
チームはフィリピン、インド、ガーナ、タイにいます。人はFiverr(スキルを売り買いするサイト)やOnlineJobs.ph(フィリピンの人材サイト)で探し、Notion(作業の管理)、Slack(連絡)、Grammarly(英文の間違い直し)で回しています。
3. 費用は「常勤で月約6万〜8万円、1本約1,550〜2,300円」
本人の発言では、毎日働く人には月約6万〜8万円を払っています。動画は1本あたり約1,550〜2,300円でお願いしています(この金額が台本と編集のどちらを指すのかは、書き起こしからは読み取れません)。
色の調整や特殊効果がいらない、作りの単純な動画なので、この単価で回せると話しています。
投稿の数は「1日1〜3本」です。チャンネル全体の合計か、1チャンネルあたりかは、はっきりしません。
4. 3年で登録者約1.6万人 → 約12.2万人
買ったときの登録者は「たぶん1万6,000人くらい」、番組の収録時点で12万2,000人です。持ってから約3年で、利益は「10倍以上」になったと話しています。
伸びた理由として本人が挙げているのは、次の2つです。
- 季節を読むこと:チームより自分のほうが季節のテーマ(いつ何が売れるか)を分かっているので、その方向づけは自分がしている
- 高い商品を選ぶこと:本人の説明を円に直すと、15万5,000円の商品の5%は7,750円、1,550円の商品の5%は約78円です。紹介料は売れた金額に応じて増えるので、値段の高い商品を扱うほうが1件あたりの収入が大きくなる
5. 「買わなくてもできる」と示すために、ゼロからもう1つ
本人は講座の受講生に「最初は買ったけれど、ゼロからでもできる」と示すため、別のチャンネルを一から作りました。開設から約1年半で、月約12万円の収入だと話しています(書き起こしは「$800 a」(約12万円)で途切れていますが、前後の流れから月額と読めます)。
また、ゼロから作った1つのほかに「別のジャンルのチャンネルを2つ買った」とも話しています。番組の中で数の説明が少し食い違うため、持っているチャンネルの総数ははっきりしません。

つまずいたこと・気をつけること
つまずき1:安い書き手に頼んで、台本の質が低かった
始めたころは、安い書き手に台本を頼んでいました。質がとても低く、本人が何時間もかけて直すことになりました。その反省から、英語が母語の人に英語を直してもらう担当とナレーション担当を入れています。人にお願いするのは「安く頼めば楽になる」わけではなく、直す人が要ることが分かります。
つまずき2:このやり方は2025年のYouTubeのルール変更とぶつかりやすい
この事例は2023年の話です。その後、YouTubeは2025年7月15日に、お金に変えるためのルール(収益化のルール)を更新しました。
- 「繰り返しの多いコンテンツ」というルールの名前を「量産型のコンテンツ」(英語ではinauthentic content)に変えた
- 繰り返しだけでなく「大量生産されたコンテンツ」も対象だと、はっきり書いた
出典:YouTubeヘルプ「YouTube のチャンネル収益化ポリシー」(公開日の記載なし・最新の更新 2025-07-15/確認日 2026-10-28)

YouTubeの収益化ポリシーのページでは、収益化が許可されない例として、次のものが挙がっています。
- 「汎用的または独創性のないテンプレートを使用して作成され、大量生産されたような印象を与える AI 生成コンテンツ」(クリエイターならではの洞察や視点がないもの)
- 説明や解説がほとんどない画像のスライドショーや、決まった型の筋書き
一方で、許可される例には「商品レビューを行うチャンネル」も入っています。英語版のページでは、1本ごとに違う筋書き・焦点・切り口があることが条件として書かれています。
出典:YouTube Help「YouTube channel monetization policies」(英語版)(公開日の記載なし・最新の更新 2025-07-15/確認日 2026-10-28)
つまり、商品紹介というジャンル自体は対象外ではありません。 問題になりやすいのは、型に流し込んで本数だけを増やす作り方です。「1日1〜3本・作りの単純な動画・人にお願いして量産」という、この事例の強みそのものが、今は審査で見られる点になっています。
つまずき3:他人が作った映像を使う形は、別のルールにもかかる
この事例では、メーカーの宣伝動画を使っていました。YouTubeには「再利用されたコンテンツ」というルールもあります。すでにYouTubeや他のサイトにある映像を使い、独自の解説や大きな変更を加えていないチャンネルは、収益化の対象外(お金に変えられない)です。
このルールは2025年7月の更新では変わっていません。メーカーの映像を使うなら、使ってよい条件を確かめることに加え、自分の解説で価値を足すことが前提になります。
出典:YouTubeヘルプ「YouTube のチャンネル収益化ポリシー」(公開日の記載なし・最新の更新 2025-07-15/確認日 2026-10-28)
注意:話し手は講座の販売者
本人はこの作り方を教える講座を販売しています。 番組での話は本人が話したことで、宣伝の面もあります。数字は「本人がこう話した」として読むのが安全です。研究所はこの講座を勧めていません。
出典:Passionfroot「Creators on Air」S2 E5(公開日 2023-01-04/確認日 2026-10-28)
日本でやるなら
ここからは研究所の分析です。制度と規約は2026年10月28日に公式ページで確かめた範囲で書いています。

売り場:YouTube+アフィリエイトの組み合わせ
日本でも、売り場の形は同じです。比較・選び方の動画をYouTubeに置き、お金は2つの柱から得ます。
- 広告収益:YouTubeパートナープログラム(YouTubeでお金を得るための参加制度)に参加して得る
- アフィリエイト:概要欄のリンク(Amazonアソシエイトなど)や、YouTubeの商品タグ付けの機能から得る
日本では、2026年2月19日に「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」が始まりました。動画に協力しているお店の商品をタグ付けし、売れると収入になるしくみです。国内で最初のパートナーは楽天市場です。
参加の条件の1つは、YouTubeパートナープログラムに入っていることです。
出典:YouTube公式ブログ(日本)「YouTube ショッピング アフィリエイト プログラム」(公開日 2026-02-19/確認日 2026-10-28)
2026年9月25日には、Yahoo!ショッピングとの連携の開始も発表されています。
出典:LINEヤフー プレスリリース(Yahoo!ショッピングとYouTube ショッピング アフィリエイト プログラムの連携)(公開日 2026-09-25/確認日 2026-10-28)
広告収益の条件(2026年10月28日確認)
YouTube公式ヘルプでは、広告収益を得る条件は次のどちらかです。
- 登録者1,000人以上で、直近12か月の長い動画の総再生時間が4,000時間以上
- 登録者1,000人以上で、直近90日のショート動画の視聴回数が1,000万回以上
このほか、お金に変えるためのルール(収益化ポリシー)を守っていること、コミュニティガイドラインの違反の警告がないこと、Googleアカウントの2段階認証をオンにしていること、YouTube向けのAdSense(広告収入を受け取るしくみ)のアカウントをつないでいることなどが求められます。
出典:YouTubeヘルプ「YouTube パートナー プログラムの概要と利用資格」(公開日の記載なし/確認日 2026-10-28)
アフィリエイトの紹介料は「商品の種類」で決まる
Amazonアソシエイト(日本)の紹介料は、売れた金額に、商品の種類ごとの割合(料率)をかけて決まります。2026年10月28日に公式の料率表で確かめた例は次のとおりです。
| 商品の種類(料率表の名前) | 料率 |
|---|---|
| ビューティー・コスメ、ドラッグストア、ペット用品 | 5.00% |
| スポーツ用品、工具・機械 | 4.00% |
| インテリア/家具/寝具、キッチン用品/食器 | 3.00% |
| 家電、PC、カメラ | 2.00% |
出典:Amazonアソシエイト「アソシエイト・プログラム紹介料率表 別紙」(公開日の記載なし・随時変更の旨あり/確認日 2026-10-28)
料率表には「随時変更する場合があります」と書かれています。始める前に、公式の料率表で最新の数字を確かめてください。
ここで、本人の「15万5,000円の5%」の話を日本に置き換えると、注意点が見えます。日本のAmazonでは、家電やPCのような高い商品ほど料率が低い傾向があります。「高い商品を選べば有利」とは言い切れず、単価と料率をかけた1件あたりの額で比べる必要があります。
表示のルール:アフィリエイトであることを明記する
Amazonの規約:運営規約(2026年4月20日改定)の第5条で、「Amazonのアソシエイトとして、[名称]は適格販売により収入を得ています。」と同じ内容を、目立つように示すことが求められています。
規約の「サイト」にはソーシャルメディアのコンテンツも含まれます。
出典:Amazonアソシエイト・プログラム運営規約(第5条)(改定日 2026-04-20/確認日 2026-10-28)
ステマ規制:2023年10月1日から、広告なのに広告と分からない表示(ステルスマーケティング)は景品表示法の違反になりました。規制の対象は広告を出す事業者で、依頼を受けた個人は直接の対象ではありません。
ただし、企業から依頼を受けて紹介する動画は、その企業の広告として見られます。広告であることが分かる表示を入れておくと安心です。
出典:消費者庁「令和5年10月1日からステルスマーケティングは景品表示法違反となります。」(施行 2023-10-01/確認日 2026-10-28)
顔出しなし・声なし(機械で作った声)の扱い
YouTubeの規約に、顔を出さないことを禁じる決まりはありません。見られるのは、1本ごとに独自の価値があるかどうかです。
声についても、機械で作った声(読み上げソフトなど)を使ってよいかどうかは、確認した公式ヘルプには直接書かれていませんでした。判断の目安は、上で書いた「量産型のコンテンツ」に当たらないかです。
読み上げソフトを使う場合は、そのソフトの利用規約で、お金もうけに使うこと(商用利用)や収益化が認められているかも確かめてください。
出典:YouTubeヘルプ「YouTube のチャンネル収益化ポリシー」(公開日の記載なし・最新の更新 2025-07-15/確認日 2026-10-28)
AIを使ったときの開示
YouTubeには「生成 AI コンテンツの使用に関する開示」というルールがあります。本物に見える形でAIを使ったときは、投稿するときに知らせます(開示)。
- 開示が必要な例:実在の人が言っていないことを言っているように見せる、実際の出来事や場所の映像を変える、現実に起きていない場面を本物のように作る
- 開示が不要な例:台本や構成のアイデア出し、字幕の作成、色の調整、自分の声をクローン(複製)したナレーション
開示をわざと何度もしないと、動画の削除やパートナープログラムからの停止などがありえると書かれています。
出典:YouTubeヘルプ「生成 AI コンテンツの使用に関する開示」(公開日の記載なし/確認日 2026-10-28)
研究所がこのやり方を日本でやるなら、こうします
- チャンネルは買わず、ゼロから始める:買うにはまとまった資金と、買う前に中身を見極める目が要ります(本人も購入金額は話していません)。初心者が最初に背負うには重い選択です
- 最初の数本は自分で作る:本人もそうしました。1本にかかる時間が分からないと、人にお願いするときの金額も決められません
- 本数より「選ぶ基準」を見せる:どんな人に向くか、何を比べたか、どこを調べたかを動画ごとに変える。2025年7月に更新された収益化のルールに沿う作り方です
- 単価×料率で商品を選ぶ:日本の料率表を見てから、扱う商品の種類を決める
この型が合う人・合わない人
合う人
- 顔も声も出さずに続けたい人
- 商品を調べて比べるのが苦にならない人
- 人に作業を頼み、出来上がりを確かめる役に回りたい人(会社でのプロジェクト管理の経験が生きます。本人もプロジェクトマネージャーでした)
- 広告収益の条件に届くまで、収益が小さい期間を待てる人
合わない人
- 早く収益がほしい人(登録者1,000人と再生時間4,000時間の条件を満たすまで、広告収益は得られません)
- お願いした人への支払いを、収益が出る前から続ける余裕がない人
- 1本ごとの中身より、本数で勝負したい人(今の規約では、収益化の対象外になりやすい形です)
- 規約の変更を追うのが負担な人(YouTubeとアフィリエイト先、両方の規約に左右されます)
研究所のまとめ
- 商品紹介 × 顔出しなし × お願いしたチーム、という形で、本人がほぼ運営から離れている事例です。 収益の柱はアフィリエイト(約50%)と広告(約45%)の2本でした(いずれも2023年時点の本人が話した内容)。
- 強みだった「量産」は、2025年7月以降は気をつける点になりました。 商品レビューというジャンルは収益化の対象ですが、1本ごとの違いがない量産は対象外です。日本でまねるなら、本数より「選ぶ基準」で差をつけます。
- 日本では「料率」と「表示」を先に確かめます。 Amazonの料率は商品の種類で違い、高い商品ほど有利とは限りません。アソシエイトであることの表示も規約で求められています。
この記事は2026年10月28日時点の情報です。事例の数字は2023年1月に本人が話した内容で、その後の状況は確認できていません。YouTubeとアフィリエイトの規約・料率は変わることがあるため、始める前に公式ページで最新の内容を確かめてください。
最終更新日:2026-10-28


